2023年3月の講演会から

社会福祉協議会でひきこもり支援スタッフ向け研修会
 
地域の引きこもりの当事者にどの様な支援や対応をしたら
良いのか?というテーマで話が進みました。当事者の話を聴く機会ということで
参加した方が多かったようです。
65歳位の男性から、「親父さんもいるから(経済的に助かっている?)
本人は甘えているのではないのですか?}という意見がありました。
質問を受けたオープンハートのスタッフは
「それ以上何をがんばったら良いのですか?」と質問を返しました。
別の参加者は「子どもには、30歳までには、どうにか成ってほしい」という意見が
出ました。
「どうにかなる」というのは、企業の正社員として働いて経済的に自立してほしいとい
うことのようで、企業で働いてきた親の生き方が正しく、子どもの生き方が間違ってい
るので親の考え通りにしたいということのようです。阿部はこれに対し親の考え方へ
子どもを引っ張っていくのは好ましいことではない、と回答しました。
また、民生委員の方はどのような支援をしていいのか分からず、
とりあえず引きこもりの方のご自宅へ、ハローワークの求人票を持っていったそうで
す。これも親の考え方と同様です。
阿部は聴覚過敏の人の例を挙げました。
その方は生活していると発生する雑音が聞こえ、外出すると
全ての音を捉えてしまい、10分歩くだけで疲弊します。
そのような人に「体力をつけろ」「マイペースで働けばいいのだ」と言っても実行するこ
とは難しいのではないでしょうか?
当事者は自分自身でも「この状況をどうにかしたい」「誰かに救ってほしい」
「今の状況から変わりたい」「でもどうやったら変わることができるんだろう?」
という気持ちを持っています。
相談に来る人も、いきなり話をする人がいるかと思うと、相談時間中に何も話さない
人がいて、相談内容もさまざまです。このように一人一人が違っています。
支援する人は、まず一人一人のことを理解することです。そのことで当事者の方が
「自分は守られている」と思えるような空間・繋がりが必要となるでしょう。